【オモテ面】

当法人では、障がい福祉サービス事業の中でも共同生活援助、つまりグループホーム事業を中心に考えています。
それは、何よりも「住まい」であり、「生活の場」であり、住まいがなければ生活が成り立たないからなのです。
また同時に、かつて電鉄会社が電車線路を次々と延伸させることで、不動産業や流通業などを発展させてきたように、
障がい福祉における幹の存在となるのがグループホームなのです。今回は、その原点となった『ほたるの里 瑞穂』を紹介します。

岐阜県瑞穂市が
障がい者グループホーム事業の
原点の地。

 平成28(2016)年5月に当法人の最初の施設である『ほたるの里 瑞穂』が、岐阜県瑞穂市に開所しました。
 瑞穂市は平成の大合併によって、本巣郡穂積町と巣南町が合併して誕生した市です。県庁所在地である岐阜市の西側にあり、岐阜市や名古屋市のベッドタウンとして発展してきた街です。市の南部には朝日大学も存在し、長く女性市長が首長を勤めたことからも文教地区という風土が形成されています。
 なぜ瑞穂市からスタートしたのかと言うと、当法人が開所するまで障がい福祉グループホームが存在しなかったからなのです。人口約6万人の市ですが「グループホームがないことにより、必ずお困りの方がおられる」その思いからの開所だったのです。
 電気工事設備の会社が社員寮を兼ね、工事資材の置き場としていた重量鉄骨造りの3F建てのビルを借り受け、まずは2Fに食堂兼リビングと4室のお部屋、3Fに12室のお部屋と計16室からのスタートでした。何よりも最寄り駅であるJR東海道線の穂積駅より徒歩6~7分という社会生活が営めるロケーションであることも当法人の考えにマッチしていたといえます。
 翌年には1Fも借り増し、4室を増室、計20室としましたが、それだけでは強い需要を満たすことが出来ずに、近隣のアパートを活用しての9室の増室を行い、就労支援の『ほたるの仕事場 瑞穂』も開所しています。

利用者さんの目線で
必要とされる仕様、機能、運営を
生み出していく。

 『ほたるの里 瑞穂』の特長といえば、当法人において最初の事業所であることから、様々なトライアル&エラーの実験場的存在であり、障がい福祉事業への取り組み方を学んだ原点であると言えます。利用者の皆様は知的の方を中心に、一部精神の方もおられます。1Fはバリアフリーの仕様となっていることから身体の方の受け入れも行ってきています。
 障がい福祉への想いはあっても実際の事業の運営には様々な経験の積み重ねが不可欠となります。その意味からも『ほたるの里 瑞穂』において蓄積された現場でのノウハウは、他の事業所の運営にも活かされ、さらにはパートナー法人様へのコンサルティングにも活かされています。
 『ほたるの里 瑞穂』の仕様は、厚生労働省が定めるグループホームの設置基準以上に、利用者の皆様にとって、より住みやすい環境であることを念頭に定められています。この点は、本紙においてもたびたび紹介してきた当法人の考え方にも表れていますが、再度、確認の意味も込めて紹介します。
 ①社会生活が営めるロケーションであること。特に利用者の皆様は車の運転が出来ない方が大半であることから、最寄り駅(もしくはバス停)から遠くても徒歩15分程度以内であることとしています。その点、『ほたるの里 瑞穂』の立地は、理想的であるといえました。
 ②各部屋の広さは8畳以上であること。既存のマンションやアパートを活用しての場合は難しいですが、『ほたるの里 瑞穂』の場合は、重量鉄骨建築のビルをリノベーション出来たことから、最初から各部屋の間取りを8畳以上に設定して造ることが出来ました。
 厚生労働省の設置基準では、(収納を除いて)7.43㎡(約4.5畳)以上となっていますが、これではベッドを置くと、いくばくもスペースがなく、車いすの方であれば、室内で自由に動けない状況となります。したがって最低でも6畳大、出来れば8畳以上と定めています。
 さらに、実際に運営にあたっては、③手作りの温かい食事の提供④お風呂はお一人入られたら、必ず一度湯を落とし浴槽内をキレイに清掃すること⑤利用者の皆様にとって、生活の楽しみがある工夫があること、など、あくまで利用者の皆様の目線、気持ちでの運営を心がけています。
 また最も大事なこととして、支援の方法、やり方に迷った時には『(利用者の皆様の)笑顔一つ増える支援』を忘れずに実践すること、どちらが笑顔になれる支援なのかを忘れずに行うことを行動の基本としています。

【ウラ面】

瑞穂市を原点として
岐阜県下8エリア
約160室の陣容に。

 現在、『ほたるの里/ほたるの杜』名での障がい者グループホームは、パートナー法人様の事業所を含め、岐阜県下で8エリア、約160室に及んでいます。
 また岐阜県外においても、令和3(2021)年2月開所の『ほたるの里 神戸須磨』から、令和4(2022)年5月開所の『ほたるの里 さいたま』、同年6月開所の『ほたるの里 岩倉幼郷』など、兵庫県、埼玉県、愛知県と広がっています。
 岐阜県内では令和4(2022)年6月開所の『ほたるの杜 サン神戸』の他、今後、美濃市、瑞浪市、七宗町等の開所が予定され、県外は長野県上田市、愛知県知多郡武豊町等の開所が予定されています。
 特に最近では志を同じくされるパートナー法人様における開所が本格化しており、太陽と月社 株式会社では、その創業ならびに開所支援を行っています。
 支援内容は、NPO法人の設立から事業計画作成、物件選定、許認可申請、資金調達、人員調達、広報プロモーション、職員の教育研修など未経験の方でも不安なく開所できるように総合的な支援を行っています。
 何よりも経営的にも安定し、成功を得ていただきたいと考えています。そうでないと障がい福祉グループホーム自体が定着していかないからなのです。
 これらのパートナー法人様への支援の中で重要視しているのは、その方の動機が「障がい福祉グループホームが時流に乗っている」「話題になっている」「安定した収入が見込める」等という方はお断りしていることです。
 「利用者の皆様の笑顔一つ増える福祉支援」を心から喜んで行なえる方なのか?『世界中に一人のほたる』という理念に共鳴していただける方なのか?ということを大事にしています。

「住まい」としてのGHを
必要としている人はまだまだ多数、
GHは不足してる。

 令和4(2022)年6月21日発行の『福祉新聞』で「厚労省 障害者GHの定義変更」という記事が紹介されています。報道内容によると「一人暮らし望む人に特化した、入居期限付きのGHの新類型を障害報酬に位置付ける。住居という性格が薄まることになり、GHは大きな転換期を迎える。」とあります。
 確かに、特に精神障がいの方においては、お一人で暮らせるようになるようにという「自立支援」の動きがあることは理解できます。しかし現実的にはお一人で生活するのはなかなか難しく、共同生活での支援を必要とされている方は、数多くいらっしゃいます。
 特にいわゆる障がい者家族における『8050問題』を考えたときに、本当にお困りの方々は、今後ますます増えていくと想定されます。そのような支援を必要とされる方々、本当にお困りの方々のためにも私たちは日々活動しています。そして志と理念を同じくし、共有できるパートナーの方々に一人でも多く出会い一人でも多くのお困りの方々のお役に立ちたいと願っています。
 そのためにも様々な試みを積み重ねながら、常に新しく進化することを心がけています。